研究所概要OUTLINE
- 所長:後藤 正幸(早稲田大学・創造理工学部・経営システム工学科・教授)
- 幹事:上田 雅夫(横浜市立大学・データサイエンス学部・教授)
- 研究期間:2015.10 -
背景
近年の高度情報化社会の到来に伴い,企業や組織のマネジメントにおけるデータ活用の重要性は高まる一方です。その背景には,様々なビジネスプロセスにおける業務にコンピュータや通信機器などのITが入り込み,業務一つ一つの行動履歴がミクロなデータとして蓄積されるようになったことや,ECサイトやポイントシステムなどの発展によって消費者の購買行動について詳細な履歴が取得・蓄積されるようになったことなど,様々な社会活動において,膨大かつ多様なデータが日々蓄積される時代となったことがあります。
データサイエンスは,異なる構造や内容を持つ多様なデータを分析して,有用な知見を得るための科学的なアプローチを指していますが,そのために使われる学問分野としては非常に多岐にわたる点が特徴です。数学,統計学,情報工学,データベース,パターン認識,機械学習,データマイニングなどの様々な分野の手法を統合的に活用しつつ,企業経営やビジネス場面に関する実務の知見やノウハウを重視したアナリティクスが重要であり,そのためのデータサイエンスの体系化が望まれています。
参加メンバー
本研究の参加メンバーは,早稲田大学においてマーケティング分野や経営工学分野などで研究活動に携わる研究者に加え,同分野において活躍されている学外の研究者や実務家を招聘研究者として迎えて活動しています(参加メンバーリスト参照)。加えて,未来のデータ活用社会を目指す共同研究先企業の協力を得ながら,産学が協力して共通のテーマであるデータサイエンスの体系化とデータ活用技術の発展と普及に取り組んでいます。
研究目的
ビジネスの様々な場面において,このような膨大な量のデータを活用し,様々な分析を通じた意思決定に役立てようとするビジネスアナリティクスの重要性が認識され,そのためのデータサイエンスの体系的整備が重要となっています。
例えば,マーケティング分野においては購買履歴データや閲覧行動履歴データの分析や活用が始まって久しく,一定の成果が得られています。その一方で,今後,取得できるデータのサイズはますます飛躍的に増大し,多様性も格段に広がっていきますが,それらのデータ構造は統一はされておらず,より複雑な分析技術やノウハウを有することが予想されます。
特にビジネスアナリティクスを応用目的としたデータサイエンスでは,この先の大きなブレイクスルーを達成するためには,様々な分野の理論研究者と実務家が協力し,同分野の研究の深化と体系化を強力に推し進める必要があります。
本研究では,様々な分野の研究開発者が協力し,現実のデータ活用場面で生じる問題点を解決しながら進む方法により,大規模かつ多様なビジネスデータ分析技術と方法論の構築を目指します。
研究体制
サブグループ
個別の研究テーマを深めるサブグループを発足します。各サブグループの参加メンバーを明確にし,密な研究活動を行ってきます。
サブグループ (SG) リスト
グループ | 研究内容 | 期間 | メンバー |
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A | データサイエンス 基礎研究グループ | 2016~2018 | 後藤正幸,須子統太,堀井俊佑 |
B | データサイエンス 応用研究グループ | 2016~2018 | 守口 剛,上田雅夫,蓮池 隆,大森峻一 |